【個人実践】剣岳早月小屋 アルバイト体験記 |
こんにちは。きんたろうこと金谷洸晟(M1)です。
今回は、私がこの夏経験した、山小屋バイトについてご紹介したいと思います。
場所は富山県立山連峰に位置する名峰「剣岳」の名物ルートである早月尾根の中腹、標高2200mにある「早月小屋」。
期間は2022年8月30日(火)~9月23日(金)の25日間(うち1日は所要により下山)、住み込みで働かせていただきました。
まずは、どんな場所・環境かと言いますと、
早月小屋は尾根の上に位置し、近くに沢などの水場がないため、巨大なタンクに雨水(天水)を溜め、生活に必要な水は全てそれを使います!料理、洗い物、洗濯、トイレ掃除、シャワーなどなど。
雨がしばらく降らないと水はなくなる一方なので、節水大事です。
下界に帰ってからも水の出しっぱなしには気を付けるようになりました!
次に、小屋には電気が通っていないため、山小屋で使う電気は全て軽油を燃料として動く巨大発電機で賄っています。
もちろん燃料には限りがあるため、発電機を動かして山小屋に電気が通るの時間は4:00~10:00と15:00~20:00の1日2回 11時間のみ。
電気がない時間は太陽の光で過ごすしかありません。
夜寝ている間にスマホを充電することができないので、発電機が動いている間に計画的に充電します。
さらに、電気を起こすための燃料はどうするかというと、、、ヘリコプターで運んできます!
燃料だけでなく、食材、飲料水(ジュース、お酒含む)、必要備品も全てヘリコプターで運んでくれます。
しかし、ヘリコプターは視界が悪いともう飛びません。山小屋はだいたい雲海の上。下界から雲を突き抜けてくることができないのです。一瞬の晴れ間を見つけて飛んでくるのですが、なかなか飛べない時は、予定していた日から13日間飛ばなかったことも。。。
そんな時はどうするかというと、、、登山口から1500mアップの道のりをベテランガイドに歩荷してもらっていました!ベテランガイド恐るべし。
続いては、山小屋生活タイムスケジュール。
3:50 起床 4:00 朝食準備 5:00 お客さん朝食 6:00 スタッフ朝食 6:30 清掃開始 9:00 ティータイム
10:00 シャワー(2日に1回) 11:30 まかない(昼食)準備 12:00 スタッフ昼食 13:00~ フリータイム(売店対応)
15:00 夕食準備 17:00 お客さん夕食 18:00 スタッフ夕食 20:00 消灯・就寝
早寝早起きの習慣が強制的に染みつきます。掃除が終わって半日終わったかなと思ったら、まだ9:00です。
そんな、下界とは別世界のような厳しい生活を送りながらも、もちろん楽しい時間は訪れます。
まずは何と言っても、名峰「剣岳」に登るチャンスをいただきました!
富山県出身者にとっては一度は登りたかった山の頂に立つことができました。
山頂までの景色、山頂からの景色なにをとっても「かっこいい」の一言に尽きます。
また、山小屋周辺から見える景色も最高です。毎日毎日同じ場所からでも異なる様々な顔を見せてくれます。
私が山小屋にいる期間に、野外研の仲間が二人、遊びに来てくれました!
ぶんぶん(森山玖実M1)と だん(折居巧朗M1)です。
やっぱり持つべきもは同期ですなぁ。
とっても嬉しかったです!
山小屋生活について少しわかっていただけたでしょうか。
山にはユニークな人がたくさん集まってきます。
北アルプス三大急登のうち最も長い早月尾根を1日に2往復する人。
友人の形見である杖を持って中1日で山頂にアタックする人。
毎週毎週日本各地の山を登ってるおしゃべり大好きなおじちゃん。
2年前のリベンジで剣岳にアタックする70代のおばちゃん。
Peaksの記者 シェルパ斉藤さん。
そのほかにもいろいろ。
これらの人たちは全て、剣岳や早月小屋をめがけて全国から集まってくるのです。
そういった意味では、山というのはいつの時代も魅力的なものであり、山に集まるひとは(敬意を込めて)ヘンな人が多いなと感じた25日間でした。あ、自分も含めて。
最後に、快く引きうけてくださった山小屋の主、ありがとうございました。
とても貴重な経験をさせていただきました。
投稿:長文読んでくださりありがとうございました 金谷(M1)